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ストライダー飛竜のサウンド。

ストライダー飛竜パッケージ

最近、プレイステーション4本体と同時に発売された「ストライダー飛竜」(プレイステーション3版とXBOX360版もあります。)、1990年代にアーケードゲームとして登場した同名の発展版という位置づけでリメイクではないですので、登場キャラクターや基本設定以外のゲームシステムは新しいものとなっております。私はプレイステーション3を所持しているのでこちらを購入しました。今回は新作ではなく前作のことを書こうと思います。

初代「ストライダー飛竜」はカプコンCPS1基盤用第3番目のタイトルとしてアーケードゲームとして登場しました。横スクロールのアクションゲームで全5ステージ、ステージボスを倒すとクリアとなります。簡単に説明すると、全世界を支配しようとたくらむ「グランドマスター」を阻止すべく依頼を受けた現代忍者集団「ストライダーズ」の一員「飛竜」がその任務を遂行するという内容です。

さて、ここから記事の本筋でサウンドについてです。サウンドはCPS基盤に搭載されたFM音源「YM2151(OPM)同時発音数8音」、「PCM音源OKI6295同時発音数4音」という構成です。「ストライダー飛竜」は1つのステージ内で複数の曲があり、変更場所を通り過ぎると変わります。展開や雰囲気によって次々と曲が変わるアイデアは良い臨場感を醸し出します。が…、実はこのゲーム、サウンドの問題で完全版というのが存在しないのです。

オリジナルであるアーケード版はいくつかバージョンがあり稼働時期によって異なります。初期版は前半のステージは順序良く軽快に音楽が変わってゆきます。しかしステージ3あたりからステージ1で最初に演奏される曲だけになってしまうのです。音楽の変更場所を通過してもまた同じ音楽が頭から演奏を始めるだけで、エンディングまでも同じ曲のままです。後期版はある程度修正されてバリエーションが増えますが、ステージ5開始前のデモ、最終ステージクリア、スタッフロール、ネームエントリーの曲のいくつかの楽器パートが抜けているような音楽になっています。

では、なぜ音楽がおかしいことが分かるのかといいますと、サイトロンレーベルから発売されたオリジナルサウンドトラックにすべて正しい曲が収録されているからなのです。新作「ストライダー飛竜」のプレイステーション3パッケージ版を購入すると初回特典として初代プレイステーションで発売された「ストライダー飛竜2(初代同梱版)」がアーカイブスとしてダウンロードできます。新作には目もくれずその初代版をプレイしてみましたがアーケード後期版を元に移植がされており、完全ではありませんでした。逆に考えれば世に出たものを移植しているので間違ってはいないわけなんですが…。

リメイクや復刻されるときには手がけるクリエイターは発売当時に開発にかかわったりプレイされている人ではないので、過去のデータに何の疑問もなく忠実に再現してしまうのは仕方がないことですが、買ってプレイする方はさんざんやりこんだりこのようなエピソードを知っている人ばかりなので、がっかり感は少なからずあるでしょう。あと一歩、調査していただければ納得のゆく復刻版になると思いました。

アーカイブスとして復刻した以外に、アーケード版とそう時期が変わらずに他のハードに移植された「ストライダー飛竜」があります。海外製や明らかにハードの力不足を抜かすと、メガドライブ版、X68000版が存在します。

メガドライブ版はCPS1基盤に似ていることからオリジナルに少々劣るとしても全体的によくまとまった良移植といえます。カートリッジという点で容量に制約がありますので、大部分のPCM音源を使用した音声はカットされておりますが、ステージ間のデモ程度ですのでゲーム性を損なうことはありません。ステージ背景の簡略化はある程度仕方がないことだと思います。ただし、膨大な動きのパターンがある「飛竜」の行動がほぼ再現されているのは好印象を受けます。そして肝心のサウンド面ではFM音源が「YM2612(OPN)同時発音数6音」でチップが違いますが、オリジナルの雰囲気を損なうことなく再現されています。ステージ5開始前のデモの音楽の差し替え以外は完全で、ネームエントリーがないメガドライブ版では、この曲はエンディングにうまくアレンジされて使用されています。

そして、X68000版はCPS1基盤とCPU、FM音源ともに同一のものでPCMが同時発音数1音という違い程度なので、ほぼ同じと言って差し支えないでしょう。フロッピーディスク3枚組の容量はアーケード版の全データを収めるのに十分であると思います。また、サウンドについてはサイトロンレーベルで収録されているものと同一で、これこそ完全版に限りなく近い「ストライダー飛竜」ではないかと思われます。問題点はX68000という高価なホビーパソコンが必要で、簡単に導入できないところでしょうか。

「ストライダー飛竜」は登場時から約20年経ち、続編や「飛竜」の他のタイトルへの参戦などで、徐々に設定もデザインも変わり、私の中では別人の「飛竜」となっております。時代の求めるゲームシステムや担当する現行のクリエイターによって「飛竜」は変わっていきますが、私の中では初代の飾り気のないストイックな「飛竜」が生き続けています。

最後に、アーケード版のサウンドを修正して復刻させるのは無理なので、せめてX68000版の復刻がなされればいいな、と思う所存であります。(もう無理かな?(^_^;))